今日は『いい肉の日(11月29日)』だそうで。
職員室でも話題にのぼって、ふとそういえばと思って手に取った本がありました。
内田美智子さんの『いのちをいただく』です。
絵本にもなっています。
『いのちをいただく』
食肉加工センターに勤める坂本さんの体験談を基にしたお話です。
坂本さんは牛を捌くこの仕事があまり好きではありませんでした。
ある日息子のしのぶ君は授業参観で親の仕事について発表する事になりました。
『普通の肉屋です。』 思わず答えたしのぶ君。
坂本さんはその姿を見て思わず『そうかぁ』と呟いてしまいます。
血だらけで格好悪い仕事と思っていたしのぶ君でしたが、担任の先生の言葉で大切な仕事なのだと理解していきます。
そんなある日、食肉センターに屠殺される予定の牛が運ばれてきました。
実はその牛は、女の子が名前をつけて大切に大切に育てていた牛でした。
坂本さんは女の子の悲しむその姿を見て、この仕事を辞めようと決めるのですが….。
牛を育てる人、捌く人、そしてそれを食べる人。それぞれの視点を通して『食べること』の意味を教えられる本です。
食育・道徳の教材として使われることもしばしばあるこの本。
牛の涙に泣かされます。
大人目線で見れば、やや綺麗に描かれているかなという違和感も感じますが
『あなたが食べているものは命なんだ』と子供にソフトに伝えるのにはいいと思います。
そしてもう一冊本棚から見つけたのが『うちは精肉店』
『うちは精肉店』
こちらは代々、牛の飼育から屠畜、精肉までを営んできた北出精肉店の仕事を淡々と写真で綴った写真絵本です。
屠畜・解体の様子が細かく載っているので最初は一見グロテスクに思えてしまうのですが、モノクロ写真がそれを和らげています。
牛の屠殺とは眉間をハンマーで一撃、失神させてから頸動脈を切って血を抜くことから始まります。この血抜きの作業の出来で、『いいお肉』になるかが決まります。
かわいそう、残酷だから。と思わず目を背けてしまいそうになりますが『牛』が『牛肉』になるのはこういうことなのだとシンプルによくわかる本です。
少しの部位も無駄にせず肉や太鼓に加工していく迷いのない仕事に、屠蓄を生業としてきた人達の誇りの様なものが強く伝わってきます。
すごい本です。
子供達は怖がってあまり手に取らないけど、いい肉の日だからこそ、読んでほしいなと思いそっと面出しました。(でも手に取る子はいなかったなぁ)
読むには4年生以上でしょうか。
さて、今日の我が家の晩御飯はお肉でした。
残さず、しっかり美味しい命を頂きましたよ。
『ごちそうさまでした。』

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